「iPad mini 6」は待つべき? 3つのデメリットとメリット
「iPad mini 6」、評判が良いですね。長いことアップデートもされていなかったので、待ちに待ったiPad mini、という感じの方もいらっしゃるでしょうか
でも、飛びついて良いのでしょうか。
もう、新しいiPad miniを待たずに買った方が良い!
iPad miniを欲しいと思っている方は、現行品のiPad mini 6を購入されることをお勧めします。
むしろ、次のiPad miniを待っているとキリがないかもしれません。
- 最新のテクノロジーが詰め込まれている
- iPad miniは時期バージョンが出るまでに時間がかかる
- iPad mini 6 は評判が良い
しかし、本当に次期iPad miniを待たずに、iPad mini 6を購入して大丈夫なのでしょうか。
個人的にもiPad miniは良い評判ばかりを聞くので、デメリットを集めてみました。
「iPad mini 6は待つべき」と思える3つのデメリット
ゼリースクロール現象が起こる
ゼリースクロール現象とは、画面をスクロールした時に、映し出されている内容が歪むというものです。
例えば、文章を上からスクロールしながら読んでいると、左右で少し文章が少しずれるという感じのようです。画面がゼリーのようにトゥルントゥルンになる感じでしょうか。
この現象、実は不具合でもなんでもありません。他のiPadでも(正確にはiPadだけでなく、液晶パネルを用いているデバイスなら何でも)起こりうる現象です。液晶の画面の書き換えにはわずかな時間がかかるため、そのずれが画面の歪みとなって表れる、という現象のようです。しかし、この書き換えの時間は本当にわずかな時間のため、ユーザーにはそれほど気にならないのが普通です。
しかし、iPad mini 6の場合、これが気になるのです。不具合ではないものの、ユーザーには気になりやすい構造になっているということのようです。
ですから、今後もこの現象が突然改善される、とか、アップデートで直る、ということはないでしょう。
反対に、これがどうにも気になって使えない、ということもないようです。しばらく使っていると慣れてくるようですので、過度に神経質になる必要はないかもしれません。
いうまでもなく、iPadは画面が大切です。iPadにあるのはキーボードでも、マウスでもなく、画面だけです。その画面が歪んでしまう、という評判は気になるところです。
顔認証(Face ID)が使えない
iPhoneやiPad Proではすでに、数年前から採用されている技術です。
それが、最新のiPadに搭載されていないというのは、正直驚きです。
顔認証を利用された方ならわかると思いますが、Face IDはとても便利な機能です。Face IDがある機種では、画面をみて、画面をタッチするだけで、すぐにロックが解除されます。
しかし、iPad mini 6にはFace IDがありません。わざわざ、右手で、右上のTouch ID内蔵電源ボタンを決まった指で押して指紋認証してもらう必要があります。指が汚れていたら認識しないかもしれません。
もちろん、コロナ禍なので、Touch IDの方が便利というときはあるかもしれません。でも、コロナ禍が終わったらどうでしょうか。
機動性が売りのiPad miniにFace IDがない、ということ自体、ちょっと信じられません。
高い
iPad mini 6は72,800円です。
もともと発売時の6万円くらいでも高いと思われていましたが、円高で、なんと7万円台になりました。
たかだか、片手でもてるスマホよりちょっと大きいサイズのデバイスに、7万円支払うことに抵抗を感じられるかもしれません。
また、前世代のiPad mini 5の発売時価格からすると、2万円も高くなっています。
なんだか、iPad mini 6のデメリットばかり取り上げてしまいました。それでも、次期製品を待つべきでないと言える理由も十分にあります。
「次期製品は待たずiPad mini 6を買うべき」と思える3つのメリット
ホームボタンのないデザイン
今までのiPad miniは画面の下に、ホームボタンがありました。それで、なんと画面占有率は7割程度だったようです。
しかし、今回は、ホームボタンをなくした結果、筐体は今までより8mm程度短くなったのに、画面の大きさは7.9インチから8.3インチに少し大きくなりました。圧倒的な画面占有率の拡張です。
iPad miniはもともと小さな筐体ですから、画面をどれほど大きくできるか、ということが重要です。
今回の新製品では、この一番重要とも言える部分を改善してくれました。
しかも、重さも新しいiPad mini 6の方が数グラム軽くなっていますから、驚かされます。
高性能なチップ
今までのiPad miniと比較すると大幅な性能の向上が見込まれます。
iPad mini 6では、「A15 Bionic」というチップが採用されています。
通常、「A~」という数字が大きければ大きいほど、新しいものになります。iPad mini 5では「A12 Bionic」が搭載されていましたので、今回は3世代分の進歩、ということになります。
最近のiPad miniのチップの進歩を表にまとめてみました。(詳細な表はこのページの最後の補足をご覧ください)
iPad mini 4(2015) | iPad mini 5(2019) | iPad mini 6(2021) | |
処理性能 | A8 | A12 Bionic | A15 Bionic |
およそのスコア | 9万点台 | 46万点代 | 77万点台 |
このスコアは、Antutuという性能を数値化するアプリで計測されているのもので、それぞれ、バージョンが異なりますので、本当に大まかな比較になります。
それでも、性能は最大で40%以上向上していると言われているほど、iPad mini 6の能力が圧倒的であるのは明らかです。
これほど高性能なら、高価でも、物持ちの良い買い物になりそうですね。
5Gへの対応
iPad miniには、外部でも通信できるCellurar版があります。
このCellurar版がついに、5Gに対応するようになりました。
「5G」の転送速度は非常に高速です。今までの、携帯でよく利用されている「4G」の速度のおおよそ20倍で通信できるとされています。
iPad miniの一番の要素は機動性です。
ネットワーク接続がさらに強化されたiPad miniは最強のモバイルデバイスと言えるかもしれません。
これほどまで、強化されているとなると、6万円も高く感じなくなるかもしれません。
でも、本当の本当にiPad mini 6を買って大丈夫でしょうか。
本当に次期iPad miniを待たなくて大丈夫か
時期からすると大丈夫に見える
iPad miniは他のiPadに比べ、最新のものにリプレイスされる頻度が遅いようです。
ただ、そのせいで、毎回、その時の最新技術が詰め込まれた、いわば「理想の」iPadが出来上がります。
それで、発売されたばかりの時に購入すると、比較的長く使えるという特徴があります。
反対に、発売されてからしばらく待つと魅力が薄れていきます。すでに発売されて1年近く経ちますから、購入するなら今です。
マイナーチェンジを待つ必要はないか
ここは気になるところです。
当然のこととして、売れる製品は、最新のものにリプレイスされる頻度が増していきます。例えばiPhoneは毎年更新されます。
iPad miniはiPhoneほどではないので、リプレイスは頻繁ではないのですが、売れだすと、リプレイスが頻繁になります。
個人的にその例だと思っているのがiPad mini3とiPad mini4の関係です。
機種 | iPad mini 2 | iPad mini 3 | iPad mini 4 | iPad mini 5 | iPad mini 6 |
リリース年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2019年 | 2021年 |
iPad mini3はiPad mini 2の好評な売れ行きを受けてか、すぐにマイナーチェンジしました。わずか1年も経たないうちに販売を終了してしまったのです。
さらに、その後のiPad mini4 は、その当時最高の性能だったiPad Air2と同じチップを搭載するようになりました。
iPad mini 6の売れ行きによっては、こうしたことも起きかねません。
購入して1年後にすぐ新商品が出るのはショックなことです。
待ってばかりいると、購入できない
ただ、これは個人的な意見ですが、
「電子機器は必要な時に買うもの」
というスタンスが一番良いように感じます。
そもそも、電子機器というのは今行っている作業を便利にしたいから購入するものです。
つまり、今不便を感じているわけですね。
なら、何かを待っているその期間、ずっと不便を感じることになります。
待っていたiPad miniが出たのであれば、そして、必要を感じるのであれば、買ってしまったほうがよいかもしれません。
特にiPad miniは製品のリプレイスは基本的に遅いので、出たばかりの時に買った方が、満足感が高いのではないでしょうか。
そもそもiPad miniを待つべきか
最後に、そもそもの話ですみませんが、本当にiPad miniで大丈夫でしょうか。
iPad miniの画面は結構小さいということは念頭に置いておく必要があります。
それで、どんな人におすすめか、他に候補があるか、考えてみました。
こんな人はiPad miniを待つことをおすすめ
- 手帳代わりに使う
- 電子書籍を通勤電車などでちょこっと読む
- スマホより少し大きい画面の端末をいつでも持ち歩きたい
ちょっとメモしたり、予定表を書き込むのには便利だと思います。
つまり、スマホだとちょっと小さいかな、と思う方はiPad miniがおすすめです。
移動中などに、何かを読んだりすることの多い方は、とにかく軽いiPad miniのサイズ感は最高ですね。
こんな人はiPad / iPad Proを購入することをおすすめ
- ノートを取りたい
- キーボードを使って、きちんと作業がしたい
- 電子書籍で勉強をしっかりしたい
Apple Pencilなどでノートを取ったり、キーボードで作業をしたい、と思うなら、iPadがおすすめです。
iPad miniにはそもそも、純正の外付けキーボードがないので、入力には不向きとも考えられます。
作業をしたり、入力するのには、とにかく画面サイズが大きい方がいいのです。画面サイズだけは後からどうにもなるものではないので、ぜひ、余裕を持った選び方をしたいものですね。
閲覧重視の場合はiPad miniで、作業するなら、iPad以上の大きさをお勧めします。
もし、iPadをメモ代わりに使用できるか不安な場合は、こちらの記事もおすすめです。
でも、iPad miniがいい!
ただ、iPad miniを使っている方からよくうかがうのは「このサイズ感が最高」というものです。
これは、便利不便、という域を超えた、感覚なのでしょう。iPad miniを購入する方は、見やすさよりサイズ感や愛着に引かれているのかもしれませんね。
「iPad miniがいい!」と強く思う方は、愛着がありそうです。そういう方は、いつiPad miniを買っても後悔しないかもしれませんね。
ところで、全然違う意見で申し訳ないのですが、個人的には、iPad Proの購入をお勧めしたいです。
補足:iPad mini と他の機種の移り変わり
裏付けとして、ここ数年でのiPadに使われている処理能力を表でまとめてみました。ご関心がございましたら、ぜひご覧ください。
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
iPad | A9 | A10 Fusion | A12 Bionic | A13 Bionic | ||||
iPad mini | A8 | A12 Bionic | A15 Bionic | |||||
iPad Air | A12 Bionic | A14 Bionic | M1 | |||||
iPad Pro | A9X | A10X Fusion | A12X Bionic | A12Z Biconic | M1 |
ちなみに、各処理能力の高さは基本的に数字の大きさに比例します(一部例外もあります:A8 < A9 <A9X < A10X Fusion < A10X Fusion <A12 Bionic < A13 Bionic < A14 Bionic ≒ A12X Bionic ≒ A12Z Bionic < A15 Bionic < M1)
ですから、「A~」の数字が大きければ大きいほど、最新で性能の良いもの、ということです。例えば、2019年のiPad miniはiPad Airと同じくらいの性能でした。
ただし、iPad miniのラインナップされる感覚が空いているので、発売日から時間が経てば経つほど、かなり古いものを買わされることになります。そんなわけで、今となっては、iPadと同じ性能ですし、iPad Airからは大きく引き離されています。そして、このことが、iPad miniの購入の見極めが難しくさせているわけです。