iPad Pro 第二世代と第三世代の主な3つの違い
iPad Pro 11インチの第二世代と第三世代の主な違いは
- 処理性能
- インターネット接続
- フロントカメラ
です。端的に言って、第二世代と第三世代は同じような形をしていますが、ほぼ別物と考えた方が良いでしょう。
でも、第二世代は安くなっています。最新の第三世代を買った方が良いでしょうか。それとも第二世代で十分でしょうか。
その前に、iPad Proの世代は複雑なので、iPad Proの世代ごとの呼び方を確認してみましょう。
iPad Proの世代の数え方
iPad Proにはそもそも、画面の大きさの数が4種類あります(現行品は2種類のみです)。画面の大きさによって呼び方が違いますので、まず2015年から古い順に表で確認しましょう。(2019年は発表がなかった)
画面サイズ/発表年 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2020 | 2021 |
9.7インチ | 1回のみ | |||||
10.5インチ | 1回のみ | |||||
11インチ | 第一世代 | 第二世代 | 第三世代 | |||
12.9インチ | 第一世代 | 第二世代 | 第三世代 | 第四世代 | 第五世代 |
現行品は11インチと12.9インチの2種類のみで、呼び方に二世代分のずれがあります。つまり最新のものを買おうとすると、11インチなら第三世代を12インチなら第五世代を買うことになります。
今回は、11インチの第二世代と第三世代の差に迫ってみたいと思います。12.9インチの場合には、第四世代と第五世代の差と読み替えてみてください。
iPad Pro 11インチの第二世代と第三世代の差は何?
この違いも、まずは表でざっと確認しましょう。
項目 | 第三世代 | 第二世代 |
処理性能 | M1(メモリ:8GB / 16GB) | A12Z(メモリ:4GB / 6GB) |
容量 | 最大2TB | 最大1TB |
フロントカメラ | 12MP(超広角カメラ) | 7MP |
接続コネクタ | USB-C(Thunderbolt / USB4対応) | USB-C |
ネットワーク | 5G対応(Cellurar版のみ) | 4G(Cellurar版のみ) |
重量(最軽量) | 466g | 471g |
写真 | スマートHDR 3 | スマートHDR |
ビデオ | ビデオの拡張ダイナミックレンジ (最大30fps) | – |
価格(Wi-Fiモデル) | 94,800円 (Apple価格) | 74,500円 (Apple販売は終了、店頭の最安置) |
処理性能
CPU
第三世代の「M1」は第二世代「A12Z」よりかなり高速になっています。
第二世代の「A12Z」は2018年のiPad Pro(第一世代)の「A12X」がベースになっているため、設計自体も少し前のCPUと言えます。
対して、第三世代の「M1」は最新のMacbook ProやiMacなどのパソコンにも搭載されているものです。
単純な比較は難しいのですが、スコア化(Antutu)すると、第二世代は70万点台ですが、第三世代は100万点台と、3割も異なることがわかっています。
メモリ
このメモリという記憶領域も大きい方がよりストレスなく使えるようになります。
第二世代では最大6GBでしたが、第三世代の最大は16GBと大幅に向上していることがわかります。
一世代変わるだけで、ここまで処理能力が向上する電子機器も珍しいものです。第三世代の処理性能は圧倒的です。
容量
最大容量が1TBから2TBに増えています。ちなみに1TBというのは1,000ギガのことです。
もちろん、最大容量モデルを買うことはあまりないかもしれませんが、容量のコスパは年々高くなっていますね。
フロントカメラ
フロントカメラとは、iPadの画面の上にあるFacetimeやZoomなどのビデオ会議で使うカメラです。
このフロントカメラの画質が、コロナ禍に合わせてが飛躍的向上しました。(7MPから12MPの超広角)
また、「センターフレーム」機能という自動追従機能があり、人がカメラの中心に収まるように調整する機能がついています。また人の動きに合わせて拡大・縮小するという点も、今の時期、ありがたい機能かもしれませんね。
接続コネクタ
第三世代では、充電ケーブルを接続する端子部分が「Thunderbolt3 / USB4」というものに対応しています。
第二世代と形状は変わりませんが、データの転送速度が早くなり、外部ストレージに高速にアクセスできるようになります。また、外部ディスプレイをなんと6Kフルの解像度で利用できるようにあります。
ちなみに、充電も20W充電に対応しているので、より早く充電できるようになりました。
ネットワーク
インターネット接続の速さもかなり変わります。Cellurar版(外でも通信できるモデル)の第三世代では、「5G」へ対応します。「5G」の転送速度は「4G」の速度のおおよそ20倍で通信できるとされています。
ただし、5Gエリアは限定的ですので、どこでも速度向上を望めるわけではありません。それでも、今後の投資になるに違いありません。
写真 / ビデオ
HDRが向上しています。HDRに対応していると、夜の街など明暗差が大きくても色の階調が豊かに再現できます。
写真
第三世代では「スマートHDR 3」に対応しています。元々第二世代でも「スマートHDR」に対応していましたが、逆光などの厳しい条件下でも、美しい撮影ができるようです。
ビデオ
ビデオ撮影にでも、HDRに対応します。(30fps限定)
主な違いは、処理性能・フロントカメラ・ネットワーク
第三世代は処理性能とネットワークが飛躍的に強化されています。また、フロントカメラがコロナ禍で大変役立つでしょう。
第二世代と第三世代のどちらにすべき?
残る最後の違いは「価格」です。
価格差は20,000円程度です。これをどう考えるべきでしょうか。
第二世代を買う場合の考え方
iPad Proはもともと、フラグシップモデルなので、少し前のものでも、十分高性能です。ですから、1世代前のものを購入したとしても、ストレスなく使うことができるでしょう。
最新のiPad Air 4は7万円程度するので、第二世代とほぼ同じ価格帯ですが、iPad Proの画面の方が圧倒的にぬるぬる動き、画質も綺麗です。また、iPadではProモデルにしかFacetimeがついていません。性能も若干ですが、iPad Pro第二世代の方が良いでしょう。
それで、第二世代のiPad Proを買ったとしても、後悔はしないでしょう。
第三世代を買う場合の考え方
iPad Pro自体がかなり高額なタブレットです。
せっかく上位機種を購入するのに、お金をケチるというはもったいないかもしれません。上位機種の場合、その時代の最新技術が搭載されていますから、一世代変わるだけでも、性能は飛躍的に向上するものです。
実際、「M1」は市販されているパソコンよりも早いと言われています。後のことを考えると、それだけでも、「2万円安い」という壁を超える意味があるかと思います。
というわけで、個人的には第三世代をお勧めしたいですが、一つ前の、第二世代も悪くない選択肢です。もしよかったら、こちらもご覧ください。
第二世代を買うにしても、中古ではなく、再整備品や新古品になさってくださいね。