ipad mini 5と6 比較してわかる4つの違い
iPad mini 6が発売されてだいぶが経過しました。ネットでの評判も上々。
かなり欲しくなってきましたが、72,800円となにしろ高い!
反対に、1世代前のiPad mini 5は再整備品として少し安く販売されています。手のひらに収まるデバイスなら、1世代前でもいいんじゃないか、と思えてもきます。
いずれにしても高い買い物です。
そこで、しっかりiPad mini 6とiPad mini 5をしっかり比較してみることにしました。
iPad mini 5と6の4つの違い
1. 発売時期の違い
iPad mini 5の発売時期
2019年3月です。移り変わりの早い電子機器としては、当然、iPad mini 5は古い機種、と言えるでしょう。
また、すでに新品の購入はApple Storeからはできなくなっており、再整備品で購入するしかありません。
iPad mini 6の発売時期
2021年9月。iPad mini 5の発売時期とは2年半も違います。
発売時期はそのデバイスのサポートの終了と大きな関係があります。
当然、早く発売されたデバイスほど、サポート(iOSの更新など)は早く打ち切られます。発売された時期の違いにより、搭載されているチップも大きく異なります。また、後で見ていきますが、iPad mini 5のチップはA12に対し、iPad mini 6のチップはA15。3世代も違うのです。また、現在販売されているA12を搭載したデバイスはありません。おそらく、iPad mini 5のサポート終了の方がiPad mini 6より早いでしょう。
それで、長く使いたければ、間違いなくiPad mini 6がお勧めです。
2. 価格の違い
iPad mini 5の価格
当初の価格は、Wi-Fi 64GBで税別で45,800円でした。税込でおよそ5万円程度でした。2019年当時は、かなり高い性能のチップを搭載していたため、とてもコスパが高い、との評判がありました。
今は、すでにAppleとしては販売を終了しています。新品は買えないので、再整備品となりますが、円高の影響があり、結局今は50,780円と当時の新品と同じ価格になってしまっています。
iPad mini 6の価格
税込価格でW-Fi 64GBモデルで税込 72,800円です。
iPad mini 5の新品価格からは2万円値上がりしています。円安でかなり高くなりました。
あえて、最新の高くなった方を選ぶべきでしょうか。
実際、どれくらいの差があるか、いくつかの視点で、違いを確認してみます。
3. 性能の違い
処理能力
iPad mini 5はA12というチップを搭載していましたが、iPad mini 6はA15というチップを搭載しています。
このAの後に続く数字が世代を表します。つまり、iPad mini 5とiPad mini 6のチップの世代差は3世代分です。
性能を数値化するアプリ(Antutu バージョン9)では、一例として、iPad mini 5が55万点だったとの対し、iPad mini 6は77万点だったようです。ここからは少なくとも30%以上の高速化が行われていることになります。
ただし、性能はいろいろな指標で測る必要があり、単純に比較できるものではありません。3世代分の進歩の間に、単なる性能の向上だけでなく、機能の追加も行われています。例えば、コンピューテーショナルフォトグラフィー能力を向上させる新しい画像プロセッサが搭載されています。
今後、数年利用していくうちに、A15を搭載したiPad mini6だからこそ長く使えると感じられる場面が増えていくでしょう。
反対に、A12を搭載したiPad mini5では少し遅いな、と感じる場面が増えてくるかもしれません。せっかく5万円も出して購入したiPadの画面が購入後すぐに引っかかりを感じるようになったら、残念極まりないですね。
メモリ
メモリの量は正式に発表されていませんが、iPad mini 5は3GB、iPad mini 6は4GBと言われています。
メモリはアプリの動作速度に大きな影響を与えます。
25%増量されたことには大きな意味があるでしょう。
記憶容量
どちらのモデルでも、64GBと256GBのいずれかから選択できます。技術は進歩しても、ユーザーの側としては、もうこれ以上記憶容量は大きくなくていい、と感じているのかもしれません。
通信
iPad mini 6はWi-Fi6に対応しており、最大1.2Gbpsの速度が出ます。iPad mini5は最大で866Mbpsでした。
また、Cellularモデルでは、iPad mini 5が4G通信までしか対応していませんでしたが、iPad mini 6は5G通信に対応しています。iPad miniのように携帯性の高いデバイスなら、Cellularモデルが欲しいと思う方も多いと思います。Cellularモデルなら5G対応しているiPad mini 6を購入すべきでしょう。
カメラ
インカメラについて言えば、iPad mini 5にはFaceTime HDカメラ(7メガピクセル)が搭載されていますが、iPad mini 6 には超広角フロントカメラ(12メガピクセル)が搭載されています。ちなみに、このインカメラ、ただ画質がよくなったわけではなく、センターフレーム機能(ビデオ会議の時に、顔が自動的に真ん中にくる機能)に対応しています。
もちろん、背面のカメラも8メガピクセルから12メガピクセルにアップデートしています。
また、カメラの性能というわけではないですが、今まで、iPad mini 5にはついていなかったフラッシュがiPad mini 6には搭載されるようになりました。
iPad mini 6のアップデートで、カメラにかなり手が加わっています。
バッテリー
両モデルとも、Wi-Fiでのインターネット利用やビデオ再生については最大10時間、モバイル通信でのインターネット利用は最大9時間で大きく変わりはないようです。
iPad mini 6のバッテリーの持ちがiPad mini 5に比べて結構悪い、という噂もあるようですが、そんなことはないでしょう。
まとめ:性能面では軒並みiPad mini 6に軍配が上がる
処理性能、メモリ、通信速度、カメラいずれもiPad mini 6で性能向上が図られています。順当に性能が1段向上したというよりは、大幅な性能向上が図られています。
iPad mini 5 | iPad mini 6 | |
発売時期 | 2019年3月 | 2021年9月 |
価格(Wi-Fi 64GB、税込) | 50,780円(再生備品価格) | 59,800円 |
処理能力 | A12 | A15 |
メモリ | 3GB | 4GB |
記憶容量 | 64GB / 256GB | 64GB / 256GB |
通信 | Wi-Fi / 4G対応 | Wi-Fi 6 / 5G 対応 |
カメラ | 7メガピクセル | 12メガピクセル |
こう考えてみると、新品価格が2万円上がった、ということもAppleのiPad mini 6への自信の表れとさえ思えます。
でも、携帯デバイスでは、性能が全てを物語るわけではありません。実際の使用感についてはどうでしょうか。形状から見ていきましょう。
4. 形状の違い
サイズ
iPad mini 5は、高さ:20.3cm、幅13.5cm、厚さ0.6cmです。(小数点第二位を四捨五入)
iPad mini 6は、高さ:19.5cm、 幅13.5cm、厚さ0.6cmです。(小数点第二位を四捨五入)
高さが以前より短くなりましたね。でも、全体的に見て、それほど大きな変化はないと言えるでしょう。
重量
iPad mini 5は300.5g、iPad mini 6は293gです(Wi-Fiモデル)。
これも大きな違いはありません。もっとも、重量やサイズは、初代からあまり変わっていないのです。
でも、最新モデルの方が減量しているのは、技術的にすごいことです。今後さらに軽くなって、よりiPad miniらしくなるといいですね。
ディスプレイ
iPad mini 5は7.9インチでしたが、iPad mini 6は8.3インチと少し大きくなりました。
しかし、解像度はiPad mini 5が2048×1536だったのに対し、iPad mini 6は2266×1488と、縦の解像度は増しましたが、横の解像度は少なくなっています。でも、ディスプレイの密度は326ppiと変わりないので、画面が大きくなったと感じられそうです。
iPad mini 6で一番気になるところが「ゼリースクロール現象」です。
スクロールすると、左右のスクロールスピードが若干ずれているように見え、結果として、画面がトゥルントゥルンと動いているにように見えるというものです。Appleとしては問題はない、としていますが、どうにも気になる動きです。
実はこれ、直りません。というより、不具合ではありません。
ITmediaさんの記事で原因が取り上げられていますが、画面の書き換えの原理上の問題のようです。実は、普通のパソコンや他のiPadなどでも、画面を縦にして使えば、普通に起こる問題のようです。
iPad miniに限って気になるのは、iPad miniは画面を縦にして使うことが多いから、ということのようです。
では、どうして以前のiPad miniでは問題がなかったのか、というと、今回のiPad mini 6から横向き動画視聴に力を入れ、縦横の構造が変化したからのようです。
これは慣れでしょう。最近では、この話題、あまり取り上げられなくなってきました。
どうしても、ゼリースクロールがいやだ!という方は諦めて、新しいiPad miniを待つか、iPad mini 5を買うしかありません。でも、iPad mini5が販売されてかなり経過した今、それだけの理由でiPad mini5を購入することはちょっとお勧めできません。
ボタン類の位置
- 電源:どちらのモデルも右上(上部)側面に電源ボタンがあります。
- 音量調節ボタン:iPad mini 5は右側面に音量調節ボタンがありましたが、iPad mini 6は左上(上部)側面にあります。歴代のiPadやiPhoneにこの位置はなかなか見ませんので、これも慣れになるでしょう。
- ホームボタン:iPad mini5では画面下部にありましたが、iPad mini 6にはありません。iPad AirやProのようなデザインになりました。この利点は、ホームボタンが壊れないこと、また、なぞるだけの操作は慣れればかなり楽になります。ホームボタンを押すわかりに、最近のiPhoneやiPad Pro / Airのように、画面を下から上に向かって投げることになります。これも慣れですね。
- スピーカー:iPad mini 5は下(下部)側面にありましたが、新しいiPad mini 6は上(上部)側面、電源音量調節ボタンの真ん中にも増設されています。iPad mini 6は横にすれば、ステレオのように聞きやすくなるでしょう。
端子類
充電・PCとの接続端子は、今までiPad mini 5ではLightning端子を使っていました(アップルの独自端子)。でも、iPad mini 6からはUSB-C端子に変更されています。Lightning端子はアップルの独自規格だったので、いちいち変換プラグを高いお金で買わなければいけませんでした。それに対し、USB-C端子は標準的な規格なので、市販のいろいろなアクセサリを接続しやすくなりました。例えば、外付けディスプレイやメモリなどハブを購入すれば、結構幅広くいろいろなものを接続できます。
残念ながら、3.5mmヘッドホンジャックはiPad mini 5 にしか用意されていません。iPad mini 6では、Bluetoothで接続したり、USB-Cから変換して接続してください、ということなのかもしれませんが、意外と3.5mmヘッドホンジャックは使うんですよね。不便さを感じることがあるかもしれません。見た目はいいのですが、残しておいてもらえるとよかったかな、と思います。
まとめ:形状に慣れさえすれば、大画面iPad mini 6がおすすめ!
iPad mini 5 | iPad mini 6 | |
ディスプレイ | 7.9インチ | 8.3インチ |
ホームボタン | あり | なし |
接続端子 | Lightning | USB-C |
3.5mmヘッドホンジャック | あり | なし |
全体的に、iPad mini 6は大きく、スッキリした印象です。確かにiPad mini5から削ぎ落とされたものもありますが、そのおかげで重量に大きな変化がないまま画面は大きくなりました。慣れの問題の部分が多いので、予算が許せば性能面で有利なiPad mini 6を購入して、長く使いたいところです。
違いが大きすぎるiPad mini 5と6
4つの点を比較しましたが、発売時期も、新しいデザインも、処理性能も明らかにiPad mini 6に軍配が上がっています。
この状況でiPad mini 5を選ぶメリットはたった1つ、価格だけです。
しかしながら、iPad mini 5は円高の影響で、再整備品さえ、発売当初と同じ価格で販売される始末です。しかも、今となっては古く感じさせるA12チップの製品です。あえて、5万円出して今から買うデバイスではないような気もします。5万円出せば、現行品のiPadが購入できることも、注意したい点です。
それで、どうしてもこのサイズが欲しいのであれば、予算をケチらないで、iPad mini 6を購入することがお勧めです。
それにしても円安の影響は大きいですね。今、Apple製品を買うのはなかなか勇気のいることです。