Ryzenとintel どっちのノートパソコンがおすすめ?
ノートパソコンといえば、intelのCore iなんとかが入っているやつを買えば大丈夫、というイメージがありましたが、最近、Ryzenとかいうの見かけるようになりました。どっちを買えばいいんでしょうか。
Ryzenとintelってそもそも何?
RyzenはCPUブランド名で、intelは会社名!
結構、Ryzenとintelを比較される方は少なくないようですが、それはちょっと違います。
intelは半導体メーカー(会社)の名前で、インテルと読みます。CoreシリーズやPentium、CeleronなどのCPUを作っています。
それに対して、Ryzenは半導体のブランド名でライゼンと読みます。こちらは、AMDという半導体の名前の会社が出しているCPUです。
まとめるとこんな感じです。
会社の名前 | 出しているCPUのブランド名 |
intel | Coreシリーズ、Pentium、Celeronなど |
AMD | Ryzenシリーズ、Athlonなど |
つまり、このブログのタイトル、intelという会社とRyzenというCPU名ブランドを比較していますが、比較すべきは、RyzenとCoreのどちらがいいかということです。
では、どう比較すればいいんでしょうか。
RyzenとCoreを比較する
実は、この2社の主力製品のシリーズ名は、こんな感じで、かなり似ています。
処理性能 | intelのブランド名 | AMDのブランド名 |
ハイエンド | Core i7 | Ryzen7 |
ミドルレンジ | Core i5 | Ryzen5 |
下位モデル | Core i3 | Ryzen3 |
つまり、Coreの後の数字とRyzenの後の数字が同じ物が同じクラスのものということになります。
例えば、Ryzen7とCore i7のどちらが良いか、Core i3とRyzen3のどちらがいいかというように、同じ数字(クラス)で比較するのが良いでしょう。
AMDのRyzenとintelのCore、どっちがいいの?
正直な話、同時期に発売された同じクラスであれば、RyzenでもCoreでも大体同じ体感速度だと思われます。
でも、ここで大事なのが、それぞれの発売時期です。
お互い何年間も同じブランド名で売ってきています。当然、10年前のCore i7と今のCore i7は別物です。Ryzenも同じことが言えます。3年前のRyzen7と最近のCore i7を比較しても何の意味もないわけです。
比較すべきモデルナンバー
発売時期はおおよそ、このようになります。なお、ノートパソコン向けのCPUは、電力を多めに使うものの高速に処理するパフォーマンスモデルと、低電力でバッテリーの持ちを重視した省電力モデルの2種類があります。
パフォーマンスモデル
発売時期 | Ryzen | Core i |
2020年-2021年 | 4000Hシリーズ | 9000Hシリーズなど |
2021年-2022年 | 5000Hシリーズ | 11000Hシリーズ |
2022年- | 6000Hシリーズ | 12000H / 1200Pシリーズ |
省電力モデル
発売時期 | Ryzen | Core i |
2019年-2021年 | 4000Uシリーズ | 1000Gシリーズ |
2021年-2022年 | 5000Uシリーズ | 1100Gシリーズ |
2022年- | 6000Uシリーズ | 1200Uシリーズ |
intelとAMDの製品開発のタイミングが少しずれるため、厳密にこの通りになるわけではありませんが、おおよそ、このような比較をするのが良いでしょう。例えば、Ryzenの6000UシリーズとCoreの1200Uシリーズは大体同じクラス・同時期のCPUとみなせます。
でも、intelのCoreにもAMDのRyzenにもそれぞれ得意なところと不得意なところがあります。どんな処理を早くこなせて、どんな処理を苦手とするのか、自分はどんなふうにパソコンを使いたいと思っているのか、きちんと把握しておけば、さらに良い買い物ができます。
では、intelのCoreシリーズとAMDのRyzenシリーズ、何がそんなに違うのでしょうか。intelのCoreシリーズとAMDのRyzenシリーズのメリット・デメリットを見てみましょう。
AMDのRyzenのノートパソコンのメリット・デメリット
AMDとは
AMDはアドバンスト・マイクロデバイセズ(Advanced Micro Devices, Inc)というアメリカの半導体の会社です。
あまり聞かないメーカーに思われるかもしれませんが、1969年に設立された会社です。 intelとは1年も違いません。でも、もともと、intelが供給していた半導体と同じ仕様のものを作るいわばセカンドソースの会社のため、それほどシェアを伸ばすことはできていませんでした。
ただ、ここ数年で、技術を急速に進歩させ、intel製のCPUの性能を脅かすほどになりました。さまざまなカテゴリのCPUで、intel製のCPUより優れた性能を示すことも多くなってきました。
近年の世界シェアは25%程度と言われていますが、intel 1社寡占状態のCPUのシェアでこれほどのシェアを奪取してきたことを考えると、安心して購入できるCPUメーカーと言えるでしょう。
では、最新モデル(6000シリーズ)のメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
省電力性が高い
バッテリーの多くの部分を消費するのは、このCPUです。CPUの省電力性が高ければ高いほど、バッテリーの持ちは良くなる、ということです。
Ryzenは、最新の6000シリーズは、モバイルノート向けの省電力化にかなりの力を入れています。電源管理や低電力状態からの復帰スピードの高速化、電源ステートの微細化により、バッテリ駆動時間は3時間も伸びたという結果が報告されています。
また、消費電力あたりの性能を、intelの最上位モデルと比較した場合、最大2.5倍以上の電力効率を実現したと言われています。
コスパが高い
もともと、セカンドソースとしての販売を行っていたため、intelに比べると割安なものが多いです。
よくみられるのは、同じパソコンでも、CPUがAMDというだけで、1〜2万円安くなることがあります。でも、性能は大きく変わらないので、お得感が高いです。
グラフィック性能が高い
AMDはグラフィックチップの会社を買収した経緯もあり、CPUのグラフィック性能もかなり高い性能を発揮します。専用のグラフィックチップが搭載されているパソコンと同じほどのグラフィック性能を示すこともあるようです。
デメリット
絶対性能は今のところintelに敵わない
Ryzenは6000シリーズで省電力化に力を入れたため、前5000シリーズよりは性能が向上していますが、それほど大きな飛躍を遂げていません。
反対に、intelが、1つのCPUに「コア」と呼ばれる処理ユニットを多めに搭載するようになったため、絶対性能はintelが高いようです。
流通が遅い
AMDはファブレス、つまり工場を持たないメーカーのため、製造は他の半導体メーカーに委託しています。今は、空前の半導体不足です。その中で、intelに比べて競争力の少ないAMDのCPUの製造は、後回しにされてしまうことが多いようです。この6000シリーズも実際に搭載されたパソコンが流通するのは少し後になりそうです。
モデル名がややこしい
少し細かい話ですが、実は、5000シリーズには二つの先発と後発の二つの設計が混在しています。5700など奇数番が先発、5800シリーズなど、偶数版シリーズが後発になります。5000シリーズを購入する場合には、偶数番のCPUが搭載されているノートパソコンの購入をお勧めします。
今後、intel製CPUのメリット・デメリットもレビューしたいと思います。
intelのCoreシリーズのノートパソコンのメリット・デメリット
intelとは
intel(インテル)とは、1968年に設立された会社です。intelは1992年以来、世界第一位の半導体メーカーです。
特に、2000年に入ってCoreシリーズでは、飛躍的な処理能力の向上を遂げてきました。Apple社のあのMacもintelのCPUを利用しています。
intelが入っていれば安心、というイメージを持つ方は少なくないようです。実際、多くのパソコンやソフトウェアはintelに最適化されたものが少なくありません。intelのCPUを購入すれば間違いない、と言う実情は今でも変わっていないといえるでしょう。
でも、そんなintelもAMD Ryzenが出てくるようになって、しのぎを削るような競争をする必要が出てきました。では、intelの最新のCPU(1200 / 12000シリーズ)メリットとデメリットを見てみましょう。
メリット
処理性能が全体的に高い
intelのCPUは、1コア(処理ユニット)当たりの処理能力が非常に高いです。
それだけでなく、現時点では、Ryzenより多くのコアを搭載しています。電力を消費しても高い性能を発揮する高性能コア(Pコア)と省電力を重視した高効率コア(Eコア)を搭載し、処理内容に応じて、どのコアで処理するかを振り分けてもらう機能も持っています。
安定性が高い
もちろん、Ryzenの安定性が低いということではありませんが、intelはこの業界を作り上げている世界一の会社です。当然、他のソフトウェア・ハードウェアメーカーは、自社製品をまず、intelに対応させようとします。
それで、ソフトウェアやハードウェアのトラブルが少ないと言われています。
種類が豊富
会社の大きさや資本力の大きさが並はずれているため、ラインナップが豊富です。
もちろん、それほど細かくCPUを選ぶ必要はありませんが、ラインナップが豊富なので、ちょうどいい価格帯のパソコンを見つけやすいかも知れません。
デメリット
省電力性はRyzenに劣る可能性がある
intelは省電力に強いCPUを作り続けてきました。また、高性能コアと高効率コアを使い分けて省電力化を目指してきた背景もあります。
ただし、最近のRyzenの電源管理はかなりきめ細かく、intelに迫っているどころか、追い抜いている場合すらあるようです。モバイルノートパソコンであれば、最新モデルに限って言えば、Ryzenが有利になるでしょう。
少し高い
安心料が入っていると言えばいいのか、なぜか、intel製のCPUが入ったパソコンは高いです。性能と価格のコスパで見た時にも、Ryzenのほうが圧倒的に高いと思える場合も少なくありません。
グラフィック性能は成長中
intelは最近Xeと呼ばれるグラフィックチップをCPUに統合し、グラフィックスにも強いことをアピールしてきました。
ただ、最近のRyzenシリーズは、今までにないほど強力なグラフィック性能を統合しているようです。薄型のノートパソコンの場合、グラフィックチップが別途搭載するのは難しいため、CPUに搭載されているグラフィック性能の高いものを選ぶのが良いでしょう。
結局intel CoreとAMD Ryzenのおすすめはどっち?
省電力を求めるならAMD Ryzenシリーズ
最新世代では、AMD Ryzenがおすすめです。
かなり細かい電源管理がなされているため、バッテリーを節約してくれます。また、スタンバイからの回復も早そうです。ぜひ、これからのモバイルノートパソコンはAMD Ryzenに期待したいところです。
また、モバイルノートパソコンのようにグラフィックチップを搭載しにくいパソコンでは、CPUに統合されているグラフィックチップの強いAMD Ryzenに期待できるでしょう。
性能を求めるならintel Coreシリーズ
最新世代では、intel Coreがおすすめです。コア数の多さやコアの能力の高さ、どれをとってもピカイチという状況です。場合によっては、Apple シリコンのM1 Maxを超えることさえあるようです。ただし、電力量の消費は早いようです。
大切なのは、比較するCPUの販売時期を見誤らないこと
同じ時期の同じクラスのパソコンであれば、それほど大きく性能に変わりはありません。それで、搭載されているCPUが何年まえのどのレベルのものなのかということを確認するようになさってください。
- 同じ時期に販売されているCPUでしょうか
- 同じクラスのCPUでしょうか
- 同じパフォーマンスのモデルでしょうか。例えば省電力タイプのCPUとハイパフォーマンスのCPUを搭載したパソコンを比較していないでしょうか。
これらが一致していて、同じ価格で販売されているパソコンであれば、どちらを購入してもそれほど大きな違いはないでしょう。もし、その中でも良い買い物をしたいということであれば、intelとAMDのCPUのメリットデメリットを確認してみてください。
Ryzen(AMD) | Core(intel) | |
性能 | ○ | ◎ |
省電力性 | ◎ | ○ |
コストパフォーマンス | ◎ | ○ |
グラフィック性能 | ◎ | ○ |
お読みいただき、ありがとうございました。ぜひ、良いパソコンの購入の参考になれば幸いです。